By. Mick Sawaguchi
日時:2005年11月23日
場所:株式会社ソナ 試聴室
テーマ:最近のサラウンドソフト聞きまくりat SONA視聴室(浅賀さんお世話になりました!)
沢口:2005年11月はみんな多忙なようで今日は中年メンバー中心となりましたが、10月にAES N.Yで行ったサラウンド リスニング セッションの寺子屋版を行いたいと思います。このほかにも小谷野さんや鈴木さんが色々持参してくれましたのでどんどん聞いていきましょう。今回再生したソフトは、以下のようです。
1 BS HDTVから
イーグルスLive in オーストラリア メルボルン
これはイーグルスの再結成ツアー のLIVEですが、LIVEといってもすばらしいサウンドです。MIXは、2005年音の日記念で音の匠を授賞したエリオット シャイナーです。(彼の考え方は寺子屋特別セッションリポート参照)
久石壌 シンフォニック コンサート
これは宮崎駿雄作品をオーケストラで演奏した豪華なLIVE.豊かなホールトーンが楽しめます。
全日本オープンゴルフ 男子決勝
意外なサラウンド。ゴルフ場の雰囲気が見事に再現。ショットの打撃音も実にリアルです。
JAZZ STREAM BS-JAPAN
TV-TOKYOUが初めて制作したサラウンド。JAZZ のコンボとビッグバンドにVoというスタジオlive
2DVD-A
熱帯JAZZ 楽団 VIAJ-6006
にぎやかな編成をサラウンド空間に散りばめた楽しめるサウンドです。
PORCUPINE TREE DTS 69286-01130-9-1
典型ブリティッシュロックがサラウンドでうまく表現されています。ギターやアンプの音色がよく分かるとコメントがありました。
PLANET EARTH DTS1127
クラブ系サンプリング音楽のサラウンド進出です。意外にクラブでサラウンドが爆発するかも。
ANTONIO VIVALDI NAXOS 5.110001
これは誰しも絶賛のサラウンド作品。もともと作曲の段階で2つのオーケストラのためにサラウンドを前提としてかかれた楽曲が現代サラウンド録音で見事に再現されています。
BRAZILIAN JAZZ ROMANCE DTS 1103
BRAZILIAN JAZZ DTS 69286-01095-9-9
この2枚は、ユーフォニックスのHDレコーダR-1からA-DAT ソニックソルーション、プロツールズと多彩なDAW を異なったフォーマットで録音してあり、特徴を見るのにもいいソフトですが。なによりもブラジルのアーティストのサラウンド構築力がすばらしいですね。中国のサラウンドを以前紹介しましたが、ブラジルもすごい!21世紀は、BRICSが台頭と言われる経済界ですが、さもありなんという作品です。
3SA-CD
NEW DUTCH ACADEMY PENTATONE CLASSICS 5186 031
これはオランダの合唱グループが中世の作曲家ARCANGELO CORELLIの作品を再現したコーラスサラウンド。人の声が持つ力がサラウンドでよく表現されています。
コムデ ギャルソン SD-1001H
オノ セイゲンの最新作。オリジナルはCD 発売していたコム デ ギャルソンに新録音を加えたSA-CD版。新録部分は、AKIRA FUKADAのMIXです。
MUSIC for ORGAN,BRASS and TIMPANI SONOMA SAC-001
AKIRA FUKADAのお弟子となるSONY MUSICのRICHARD KINGの新作。SONOMAというSONY DSDから独立した新レーベルの作品。10月のAES N.YでもFUKADAと同じサラウンドセッションで席を並べていました。
RAY CHARLS GENIUS LOVERS COMPANY EMI 7243 8 63555 2 2
レイの遺作がサラウンド!感慨深いですね。録音は様々なミキサーが担当しましたが、最終的なサラウンドMIXは、アル シュミットです。このセッションの様子はTERAKOYA MICK-NEWS でも紹介してますので参照してください。エリオットやアルはしっかりサラウンド ビジネスにタッチしているのにどうしてG.マッセンバーグはやれないのでしょうかね?こだわりが強すぎる!
CHICK COREA ランデブー in N.Y SCD2-9041-2
少し古いですがチック コリアが色々な友人とセッションしたLIVEサラウンド。これは録音からマスタまでPYRAMIXが使用されています。
CHORAL WORKS HMC-801873
これはベルリン放送40名の合唱によるサラウンド。楽曲に応じた様々なマイクアレンジが楽しめます。同じ楽曲が教会の中でサラウンド録音されたものも比較再生しました。こちらは、合唱内容はより繊細ですがサラウンド収録としては地味なアプローチでしたが、こうした同じ楽曲が異なったレーベルからでるのは興味深いですね。
最後にJVC鈴木さんから今アメリカを中心に出始めている「デュアル ディスク」の紹介がありました。これは2枚のCD盤を張り合わせて作られ、片面がDVD-A/Vで片面がCDという物理的なハイブリッド盤です。アメリカのシルバーラインというレーベルが発売し始め市場で受け入れられてきたのでSONYなども片面DVD-V.片面CDというソフト制作にのりだしています。SA-CDのハイブリッド化は映像を取り入れなかったのですが、「デュアルディスク」で映像を取り込む戦略を、かたやDVD-AはCDとのハイブリッドを検討しなかったことをこの物理的なハイブリッドで実現したわけです。国内のオクタビアレーベルは、これらを総合したようなSA-CD/DVD-A/CDの3枚組ソフトを発売しました。ディスクのコストが低減してきたことでこうした多様化が可能となったといえるでしょう。フォーマット覇権争いでなくどんなユーザーにも楽しみを提供するという本来の思想が生まれてきたのであれば、歓迎ですね。(了)
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