Mick Sawaguchi 沢口音楽工房
Fellow M. AES/ips
UNAMAS-Label・サラウンド寺子屋塾主宰
はじめに
2009年イギリス制作「シャーロック.ホームズ」を取り上げました。本作は、2009年82回アカデミー.ベスト音楽賞/美術賞にノミネートされ音響効果賞は,前回紹介しました『Hurt Locker』が受賞しています。しかし筆者は、本作のサウンド・デザインは、大変秀逸でひとつの作品でこれだけ多様なサウンド・デザインを駆使した作品は少ないと感じていますので分析しました。特に4ヶ所のスロー・モーション・シーンでのデザインは、デザイナーの皆さんにも参考になると思います。
1 スタッフ
Director: Guy Richie
Music Score Producer: Hans Zimmer
Music Composer: Lorne Balfe
Music rec/mix: Geoff Foster
Score Mix; Alan Meyerson
Sound Designer: Michael Fentum
Rerecording mixer: Ron Bartlett/D.M Hemphill
Rerecording mixer (U.K): Jamie Roden/Mark Taylor
At Goldcrest Post London/Pepper post
Foley artist: Peter Burgis
Production sound: Chris Munro
(彼は、仕込みマイク/ガンマイクともsankenのマイクを愛用し、その素直な特性を高く評価しているプロダクションミキサーで「タイタニック」のプロダクション録音で注目された人です。)
2 ストーリーと主要登場人物
19世紀末のロンドンが舞台。探偵シャーロック・ホームズと相棒で同居人の医者ジョン.ワトソンは、連続殺人事件の新たな被害者を助けに向かいます。そこは、教会の地下室で行われていた黒魔術の儀式でロンドン警視庁とともに主犯ブラックウッド卿を逮捕、新聞も市民もシャーロック.ホームズ達に賞賛の声を送ります。
3ヵ月後、ワトソンはメアリー.モースタンとの結婚が決まりベーカー街221-Bから引っ越しを予定しています。死刑を宣告され、刑務所内に収監されたブラックウッドは、ホームズに面会を求めさらに3人の死が起こり世界の終わりがくると予言し絞首刑となります。その3日後、プロの泥棒で元恋人でもあったアイリーン.アドラーがホームズのもとを訪れルーク・リオドンという名の男の捜索を依頼しますが依頼主は、謎です。
ブラックウッドが、墓から復活したという報告で、墓に向かうと棺に入ったリオドンと彼が持っていた懐中時計から彼の住居を突き止め怪しげな実験が行われた痕跡を発見します。
ここでブラックウッドの部下大男のドレジャーと造船所まで追跡しながら戦い、建造中の船を沈没させ、ロンドン警視庁に拘束されます。そこから解放されたホームズは、第4修道会の寺院に馬車で連れて行かれトーマス卿、アメリカ大使、スタンディッシュ、内務大臣カワード卿に会い、ブラックウッドの黒魔術を止めるよう依頼されます。実は、ブラックウッドはトーマス卿の息子でした。この2人を殺害したブラックウッドが、修道会を支配し彼の目的は、黒魔術による世界征服だったのです。
アパートに戻ったホームズは、ブラックウッドの手下である小男の死体を調べ、ブラックウッドが、テムズ河畔に秘密の工場をつくりそこで新兵器を開発している事を突き止めます。しかしそこに仕組まれた爆弾によりワトソンは、重傷を負いブラックウッドは、逃走します。
ブラックウッドのために働くカワード卿によりホームズの逮捕状が出されますが、ホームズは、潜伏しながら次の標的は、議会であると確信します。テムズ川の地下トンネルから議会へ潜入した3人は、そこでリオドンが実験し作られた「シアン化水素ガス装置」を発見します。これを議会内へ流し、イギリスを制圧するための道具です。ホームズとワトソンは、地下トンネル内でブラックウッドの部下と戦い、その間にアドラーは、装置から未来の兵器となるシリンダーを盗み出します。ブラックウッドは、計画が失敗したことに気づき逃走し3人は、未完成のロンドン.タワーブリッジ上で争いブラックウッドは、死亡、アドラーは、雇い主がモリアーティ教授でこのシリンダーが目的だったとホームズに告げます。一件落着しワトソンがベーカー街221Bを去る日、ホームズは、モリアーティ教授との戦いに立ち向かう準備をします。
3 作品の起承転結と特徴的なサウンド・デザイン
● プレオープニング 6’52”
冒頭から本作のサウンド・デザインの秀逸さが発揮されています。まず、石畳に埋め込まれたWBのロゴとともに、ホームズのライト・モティーフとなる旋律が「チター」という楽器で始まります。
この定位は、ハードセンターメインで、L-Rに少しリバーブをこぼしたソロです。リアLSからOFF気味で馬車音が聞こえ低域アタック音がアクセントになっています。映像が馬車を映したタイミングで馬車の走行音は、フロント前面へ移動します。ここでカラスが鳴いていますが、本作では、このカラスの役割が、「事件と死」というモティーフとして度々使われています。映像が馬車内へズームインすると、3人の警官とワトソンが、これから始まる事件の犯人逮捕にむけ銃を装填するFoley音が高域成分で強調されます。アンダースコア音楽の弦の低域とFoleyの高域という帯域バランスです。
馬車の走行に平行して何者かが疾走し、ドアを破って教会へ侵入します。この人物がホームズです。ここでも建物の上でカラスが今度は、ONで一声鳴き、これから何か起きそうだということを暗示しています。
Hans Zimmerのスコアリングの特徴は、大事な映像カットに的確なキューポイント用楽器を使ってその映像の意図をより明確にする点にあり、本作以外でもこうしたキューポイントとそこで使った楽器の関係は、参考になります。
本作は、スロー・モーションシーンでのサウンド・デザインが秀逸であると述べましたが、最初のスロー・モーションがここで登場します。これから起こる地下階段での番人とのファイティング・シーンを先行してスロー・モーションで見せるという設定です。
ホームズが、番人の特徴を見ながら、どういった攻撃をすれば、敵を倒して地下へと進めるかを提示します。モノローグは、メインがハードセンターにあり、L-Rにも輪郭をぼかし気味で定位しています。このモノローグをきっかけに、
攻撃するアタック音がLS-RSに低域成分中心で配置され、同じようなアタック音が中高域メインでフロントL-R+LFE、パンチ音がハードセンター、破壊音は、映像に合わせてモノーラル定位となり29秒間のスロー・モーションをデザインしています。
ホームズが、地下室へと降りていくと、儀式を行っていたブラックウッドの配下がホームズめがけてピストルを発射、壁面で反射します。ここでまたスロー・モーション映像となりホームズと配下の男が争うシーンになりますが、ここも壁に反射したキーンという金属音の余韻と2人が争う棒の飛翔音という単純化した音のみで画面にインパクトを与える役割をしています。
ワトソンが、儀式で生け贄にされた女性に近寄ろうとすると、再び金属音が聴こえます。この金属音は、後の転で登場する大爆破シーンの予告音になっています。逮捕の瞬間「チーズ」というカメラマンの声とフラッシュ音からタイトル「シャーロック.ホームズ」が登場し、プレオープニングが、終了します。ここまでの音楽は、3’58”で5タイプのキューポイントで構成されておりプレオープニングのデザインとしては、実に濃厚なサウンド・デザインだと思います。
● 起 27’50”
「ベーカー街N.W」の看板アップから画面は、ズームアウトし19世紀後半のロンドンの街の風景となり
やがてホームズとワトソンが住むアパート221-B室内となり、2人の日常が描かれます。ここは、台詞メインで殆どハードセンターです。ホームズが、隣の部屋でテストしているピストル消音器の発射音は、4CHで室内の響きを表しています。
ワトソンが、メアリーという女性と婚約し、3人で会食しようということになり、「では8時30分ロイヤルで会おう」という台詞からレストラン.ロイヤルのシーンになります。
レストランの雰囲気は、クラシック音楽のソースMUSICで高級感を出していますが、このシーンで、注目したいのは、レストラン内のアンビエンスの扱い方で主観ショットと客観ショットとで見事なアンビエンスの対比を表しています。ホームズが、時間前に席について、懐中時計を出し、回りを見渡す彼の主観ショットとなる、
● 夫婦の口論
● ウエイターが銀のスプーンを磨き、それを内ポケットに着服
● 支配人が、ウエイターのネクタイを直す
● 人々が、食事をする音と、フォークや、ナイフ
といったカットで意図的に大きなアンビエンスとFoleyになり、ホームズの視点を強調し、次にワトソンが、メアリーと着席し「ホームズ」と声をかけるタイミングでノーマルなレストラン客観ショットレベルに戻ります。
ホームズが、メアリーの求めに応じて彼女の経歴や日常を推理し始めるとレストランのアンビエンスは、気がつかないレベルでスネークアウトし台詞中心の進行になっています。これは、観客に音で感情をズームインさせる有効なデザインです。これとオーバーラップしながら、静かにScoring 音楽が入って、メアリーが、その言葉に反論しホームズにワインをかけて退席、ホームズ一人が食事を始めると、レストランのアンビエンスが、再び元のレベルで復活します。
一人食事を始めたホームズに次の賭けボクシング場で大男を相手に戦うシーンの音楽が、先行フェードインします。シーンのカット点は、パンチ音をきっかけに転換し、賭けボクシング場のシーンへとリズムよく展開します。
このシーンにも大男を倒すホームズの戦略が、スロー・モーションで先行し大男を倒すための戦略も、モノローグで登場しますが、ここでもパンチ音メインは、ハードセンターで、低域中心のアタック音がLS-RSにL-Rには、中高域メインのアタック音を配置し+LFEで強調した音のデザインが効果的です。
ボクシング場のアンビエンス は、4CHで観衆が取り巻く典型的な雰囲気設定デザインです。大男を倒し、掛け金をもらい意気揚々と退場したホームズ。
次のカットは、ロンドンの街ロングショットとなり、雷鳴、馬車のアンビエンスに6秒のアイリッシュ音楽がバンパーとして付き、シーンの転換を告げています。
● 承 55’20”
承パートは、ホームズの元恋人で泥棒でもあるアイリーンが、ホームズのアパートを訪ね、リオドンという男の捜索を謎の人物からの希望でホームズに依頼します。(その依頼主は、シャーロック.ホームズ第二作目「A Game of Shadows」でホームズと争うモリアーティ教授です。)
台詞のアンビエンス付加があったのは、ホームズとワトソンが、狭い路地で女占い師から手相を見てもらうシーンで、狭い路地の空間を表すアンビエンス付加があり、また、リオドンの住居に入った2人の台詞にもアンビエンスが付加されています。墓地で棺を取り出しリオドンが代わりに埋葬されているシーンでも、死を予告するカラスが登場します。
承の終わりは、リオドンの家を調査した2人が、ブラックウッドの配下と争い、ホームズは、その中の大男ドレジャーとテムズ河畔の第5ドッグ内で、激しい争いを繰り広げ建造中の船が川へ沈没してしまうシーンまでです。ここでは、ハリウッド並みの派手なアクションFoley音が、LFEも使いながら繰り広げられています。
● 転 90’59”
テンプル第4修道会の3人のメンバーとホームズが面会し、ブラックウッドの世界征服を阻止して欲しいと依頼された後、修道会会長でもある判事トーマス卿とアメリカ大使スタンディッシュの2人が、ブラックウッドの策謀により死亡しますがここでも死を予告するカラスが登場します。
アパートでブラックウッドの配下であった小男を検死したホームズが、その服や爪などから、ブラックウッドの秘密工場がテムズ河畔のナインエルムズ屠殺場にあることを突き止め、ワトソンと現場へ向かいます。
部屋へ入ると壁にⅠ−ⅩⅧと書かれた数字を発見し、その意味を聖書から「一度死んだが、また復活し生きている」と解読すると、ブラックウッドの「明日の正午世界が変わるのだ!」という予言が、サラウンドでゆっくり回転しながら、部屋に響き渡ります。
突然屠殺マシンが動き始め、吊り下げられたアイリーンが、解体レーンを移動し、あわや裁断されようとします。
このシーンは、低域中心のUNDER SCORE音楽をベースにして、高域中心の鎖、メカ音、モーター、バルブ操作、きしみ、裁断する刃音、両側から吹き出す炎、スチームといったFoley効果音が、テンポよく構成されテンションを高めています。音楽は、アイリーンが、裁断される直前レーンの鎖から解放される瞬間で終わり、それを受けて裁断機の刃音が、鋭くONで登場します。音楽とSEがぶつかる「クラッシュ」を避けた役割分担が見て取れます。
金属素材が多用されたシーンなので参考にスペクトルを紹介します。
「ブラックウッドを追跡しよう!」と3人は、飛び出しますがここでプレオープニングの儀式のシーンで予告していた仕掛け爆弾のワイアーにワトソンがひっかかり大爆発シーンとなります。
ワトソンが、「ホームズ!」と制止する台詞をきっかけにスロー・モーションとなりホームズとアイリーンが爆発の中を逃げる映像になります。効果音は、単発の飛び散る破片の飛翔と風きり音がサラウンド+LFEで動きをつけ、音楽は、バイオリンソロでL-Rメインという構成です。ハリウッドのアクションシーンに見られる派手なサウンドとは、対称的な静的なサウンド・デザインは、大変秀逸だと思います。ここも参考にスペクトル分析を紹介します。
目覚める瞬間でスロー・モーションから通常の映像に戻り「お前に逮捕状が出ている、逃げろ!ワトソンは、生きている!」という警官の台詞もここで正常な台詞になっています。このシーンは、2分25秒ですが、大変推敲されたサウンド・デザインだと思います。
シーンが変わりホームズが部屋に一人座り込んで愛用のバイオリンをつま弾きながらこれまでの流れを整理し、解決の糸口をつかもうとするシーンで、事件に関わった人々の断片的な声が、次々とサラウンド空間内で登場し最後に事件の謎を解く鍵が「まじないの書」にあることを直感したホームズは、その儀式を床に再現し始めます。ここにブラックウッッドの声で「この謎は、解けない!」とやはりサラウンドで鳴り響きます。このシーンは、声のコラージュをサラウンド空間で効果的に発揮した例だと思います。
● 結 120’32”
結のシーン冒頭は、カラスの鳴き声をバンパーとして使い、ホームズが、屋根裏で儀式を解明しながら寝込んでしまい、アイリーンとワトソンに叩き起こされるシーンから始まります。このシーンから、タワーブリッジでの結末までの23分27秒を全てSCORING音楽で包んでおり、その中で2ヶ所は、ホームズのライト・モティーフが登場します。
議事堂内は、4CHで議員達のざわめきがあり、壇上のブラックウッドの演説は、議事堂内のアンビエンスが付加されています。
装置からシリンダーを外し逃走したアイリーンと計画が失敗したブラックウッド、それを追うホームズが、タワーブリッジの上で争います。
このOPENアンビエンスは、カモメと汽笛、風でワイドショットであることを感じさせ、タワーブリッジ上の3人のシーンになるとFoley音が活躍します。アイリーンの足に絡まる鎖、落下、木床の足音、きしみ、シリンダーの奪い合いでみせる刀の刃音、足に絡まる縄とそのきしみ、ブラックウッドの首に絡まる鎖等です。死を予感させるカラスの登場でブラックウッドは、死亡します。
タワーブリッジのワイドショットに不気味な雷鳴が轟くと、山場のシーンは、終わりを迎え、ベーカー街221-Bのアパートで慌ただしく引っ越しをするワトソン達のシーンとなります。音楽は、この冒頭までこぼれながら終わり時間経過を表しています。
● エンドロール 128’00”
エンドクレジット後4分32秒からスタッフロールになるタイミングで音楽は、ロンドンの日常シーンで使われたアイリッシュ音楽に変わり、10分10秒の音楽で完結です。
「クラーキー君、捜査開始だ!」という台詞からエンドロールが始まり。
129分のドラマが終了です。
4 デザイン上の特徴
スロー・モーション映像が、4シーンあります。実写映像に比べサウンドデザイナーのセンスやスキルを発揮し易い映像です。
2002年に兼六館出版から出版した『サラウンド・制作ハンドブック』の第2章でランディ・トムが解説している映画音響のアプローチに中でも以下のようなスローモーションの効用について記述されています。ここでは原文も紹介しておきます。
Slow Motion
Raging Bull and Taxi Driver contain some obvious, and some very subtle uses of slow motion. Some of it is barely perceptible. But it always seems to put us into a dream-space, and tell us that something odd, and not very wholesome, is happening.
スローモーション
マーティン・スコセッシ作品1976年のタクシードライバー。1980 年レイジングブルには、スローモションを全面時に使用した、あるいは、非常に微妙なスローモーションの使用法が含まれています。それらは、はかろうじて知覚でる動きかもしれませんが、それは常に私たちを現実の空間から夢の空間に導き、何か奇妙なことが起こっていることを表現しています。
本作で秀逸だと思うのは、大変シンプルな効果音と大胆なLFEを音楽と組み合わせる事で大変インパクトのあるデザインを行っている点にあると思います。
サウンド・デザインを担当したイギリス人Michael Fentumは、2009/11年のハリー・ポッター・シリーズや2013年キャプテン.フィリップス、2015年Jason Bourneでもサウンド・デザインを担当しています。
サラウンド表現では、
● ブラックウッドの屠殺場での予言
● ホームズのまじないの書による解決への回想
● ブラックウッドの警告
で声のコラージュを有効に活かしています。
SEでは、死を予感させるカラスが、登場しますが、この鳴き声も有効なアクセントとなっています。全体に周波数レンジもダイナミックスも広くバランンスの良い作品です。
ロイヤル レストラン内のホームズの主観ショットに同期したレストラン内のアンビエンスの変化も実にシャレたデザインだと思います。
5 音楽
手慣れたSCORINGをどの作品にも反映しているHans Zimmerですが、今回とこれに続くシャーロック.ホームズ第2作目「A Game of Shadows」では、新たなサウンドを求めメイン楽器としてフィーチャーしたのが、スロバキアのジプシー音楽とそれを演奏する7人のジプシー音楽家です。ホームズのライト・モティーフに使ったのは「チター」と呼ぶミニハープシコードをスティックで撥音する楽器です。この楽器は、1949年のイギリス映画「第3の男」でアントン.カラスが演奏し注目されました。その他ギター、バイオリンやコントラバス、ブラス等をフィーチャーしています。録音は、ウイーンの録音スタジオで録音し、この中から様々なリフを取り上げながら、それにオーケストレーションを加えています。オーケストラ録音は、ロンドンのAir Lyndhurstで行われています。
これとコントラストをつけた音楽は、ホームズがテムズ河畔第5ドックで繰り広げる大男との格闘シーンに使われたScoreでこちらは、純粋にシンセサイザーによる打ち込み音楽です。ソース音楽は、レストラン内のクラシックとロンドンの街のシーンで流れるアイリッシュ音楽の2タイプです。
本編2時間9分で音楽の占める割合は、80分07秒でエンドロールをのぞいて62%の使用率です。
おわりに
本作が撮影されたスタジオに興味があったので紹介します。ロンドンの映画スタジオといえば、老舗のPinewoodやElstreeがまず思い浮かびますが、本作が撮影されたのは、1939年に設置した旧ロールス・ロイスの工場跡地をワーナー・ブラザース社が2000年からのハリー・ポッターシリーズ制作のための拠点とした、Leavesden Studioです。
地図を見るとロンドン郊外Watfordにあります。ステージは、10ステージあり、ひとつは、水中撮影スタジオとなっています。ハリウッドの大手は、オーストラリアへ撮影スタジオを移していますが、ワーナー・ブラザース社のイギリス拠点というのは、大変興味があります。
第3回 第88回アカデミー音響効果賞受賞「MAD MAX FURY ROAD」のサウンド・デザイン
第4回 第87回アカデミー音響効果賞受賞「アメリカン・スナイパー」のサウンド・デザイン
第5回 第85回アカデミー音響効果賞受賞「Gravity」のサウンド・デザイン
「Let's Surround」は基礎知識や全体像が理解できる資料です。
「サラウンド入門」は実践的な解説書です。
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